昔から5月の風には草木の緑の香りを運ぶと見立て、「風薫る季節」と呼ばれています。
今年の桜も見事に花を咲かせ我々の目を楽しませてくれましたね。
その桜も花を散らすと直ぐに来春の為に緑の若葉が吹き出し来春再び花を咲かせるために準備に入っています。その若葉の緑がすがすがしく感じられ、そして朝のお布団がとっても愛おしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?(^^)
話は海の中の植物になりますが、アメリカのカルフォルニア州のジャイアントケルプの興味深いニュースがあったのを紹介させていただきます。
「海中に森のように広がって大量の二酸化炭素を吸収してきた海藻のジャイアントケルプが、カリフォルニア沖でウニの食害によって危機に瀕している。そこで米国の水族館が始めたのが、ウニの天敵であるラッコの個体数を増やすことで、この“海藻の森”を取り戻す試み」というニュースです。
カリフォルニア沖には、海藻の一種であるジャイアントケルプ(オオウキモ)の“森”が広がっていることで有名ですよね。そのジャイアントケルプは1日に30cmの速さで伸び、30mにまで成長する特性をもち、陸上の森が空気中の二酸化炭素を吸収するのと同じように、成長が速いこの海藻の森もまた水中の炭素を吸収し、気候変動の緩和において驚くほど重要な役割を果たしています。
ところが18世紀以降、カリフォルニア沿岸のジャイアントケルプの森はムラサキウニによってどんどん食べられていきました。ウニを捕食するラッコが良質な毛皮を目当てに乱獲され近年20,000頭から50頭にまで激減したためです。「ラッコがいなくなるとウニが急増し、ウニ焼け(ウニの食害による磯焼け)が起こります」と、モントレーベイ水族館でラッコプログラムのマネジャーのジェス・フジイは説明。
こうしたなか同水族館は、何とも可愛いらしい「養子育成プログラム」を2002年に立ち上げ、ラッコの個体数の回復に取り組んでいます。
水族館で飼育しているメスのラッコに、親のいない赤ちゃんラッコの世話をしてもらおうというのです。赤ちゃんラッコは、ホホジロザメに襲撃された際に親とはぐれてしまうケースが少なくないそうで、そういう赤ちゃんラッコを保護し、母親役の水族館のラッコが、ラッコとして生きていくためのスキルを赤ちゃんラッコに教えるのです(毛づくろいの仕方や仰向けで海に浮かぶ方法、石を使ってお腹の上でウニを割る方法など)
必要なことをひと通り身につけたラッコは、カリフォルニア沖の生息地に放されます。その際にラッコには追跡装置を付け、最初の2週間は海上でうまくやれているのか注意深くモニタリングし問題がある個体は水族館へ戻し、もう一度“ラッコの学校”に入学してもらうそうです。
2002年~16年の間にこのプログラムで養育して海に返した37頭のラッコは、みな野生で元気に暮らしているそうでこうして再び野生に放たれたラッコたちは繁殖し、やがて子どもが生まれ、今ではカリフォルニア沿岸におけるラッコの数は3,000頭まで増えたそうですよ。
食欲旺盛なラッコは、体温と健康を維持するために、体重の4分の1もの餌を1日で食べます。何度も海底へ潜っては、ウニやカニ、貝類などを獲って食べるのです。
カルフォルニア大学のウィルマーズ教授がカナダ国境からアリューシャン列島西端までの太平洋岸北部において、安定した数のラッコが炭素の吸収にどれだけ貢献するかを試算した結果、ジャイアントケルプの森が十分に成長し、吸収する炭素量が海に貯留されると、自動車500万台分の排出量の削減に相当することがわかったそうです。
僕は長年須磨水族園のラッコ館の清掃作業で身近に接してきましたが、彼らはめっちゃ可愛いだけでなく、地球にとって無くてはならない生物の一種だったのですねぇ!
でもラッコだけでなく全ての生物は地球上で食物連鎖に基く生態系(エコシステム)を形成していることをこのニュースで再確認させて貰いました。
このニュースを見て僕はこれからも水中のエコシステムや昨今の気候変動の環境への影響なども観察しながらダイビングを楽しみ、もし変化に気付いた時はT's通信やログブックで皆さんにご報告していきたいと強く思いました。
上から、カリフォルニアのジャイアントケルプとラッコ、そして懐かしい須磨水族園のラッコ(明日花♀(右)と、ラッキー♂)
新しい神戸須磨シーワールドでもラッコの「養子育成プログラム」みたいなものが出来たら良いのになぁ!そしてそんなプログラムが出来たらぜひ参加したいなぁ!(^^)
そして今年もゴールデンウィーク(5/1~5)に沖縄の西表島ツアーに行ってまいります。
日本のガラパゴスとも言われる西表島は色んなエコシステムが絡み合うように共存しているので、行くたびに新しい発見があり興味が尽きません。
それに島民が少ない分、海の中の透視度も、サンゴも熱帯魚の美しさも素晴らしいです。
帰ったらどんな感じだったか?皆様に写真入りでリポートさせていただきますので、こうご期待です!(^-^)>
下の写真は、今までの西表島ツアーのものですが、こんな雰囲気ですのでぜひ観て下さい!(^^)v
「鹿ノ川」ではマンタ三昧でした!(^^)v
西表島の北側の「バラス」や西側の「崎山」ではサンゴと熱帯魚がメッチャ綺麗でした!(^^)v
今年の西表島ではどんな感動と癒しが待っているのでしょう?(^^♪
去年の西表島の海やそこに棲む生物達は、依然と全く変わらず美しくそして元気いっぱいでした。
そんな海中風景や生物達の暮らしぶりを見ているうちにほっこりした気分になって潜っている間にいやなことなどはスーッとどこかに行ってしまい、代わりに心身共にメッチャ癒されてしまいました。
皆さんやっぱり海って本当に強力なパワースポットですね。いつも言ってしまいますが知らない間にエエように癒されてしまいます。今年の西表島ではどんな感動と癒しが待っているのでしょうか?とっても楽しみです!
また帰ってきたら皆様にご報告させていただきますね~!
(^ー^)>